実家が空き家となったとき、今後の選択肢って!?

最終更新: 2021年6月20日

皆さんは、ご自身の実家が空き家となったらどうしますか!?

空き家についてのご相談はとても多いです。

総じて言えることは、

最初は空き家管理に何とも思っていなかった方が、

月日が経つにつれ、

とても負担に感じておられるのが現状です。

 ・年2回以上の草刈り、自分でやるのか業者に頼むのか

 ・建物の急な老朽化 

 ・犯罪に巻き込まれた時の賠償責任          など 

そこで今回は、

もしも実家が空き家となった場合の選択肢について解説いたします。

まず最初に、空き家の原因が何かです。

相続なのか、親御さんが施設に入ったからなのか。

相続の場合は、遺産分割で問題がなく相続登記ができれば、

相続した所有者の意思で決められますね。

ところが、親御さんが施設に入った場合、所有者は親御さんで、

その親御さんが認知症などで判断能力が無い場合、

相続まで手が付けられません。

空き家管理を続けるしかなくなります。

(後見制度でも難しいのが実家です。)

次に空き家のロケーションです。

都市部空き家なのか

郊外空き家なのか

これにより、考え方の方向性が全く変わります。

都市部空き家の場合

売るのは比較的簡単な場合が多いです。

接道要件が満たされていない

全面道路が4メートル以下

面積がかなり広い旗竿敷地

北垂れの土地

造成費用が莫大にかかる

暴力団関係者のとなり

交通量の多い幹線道路沿い

など、購入者が敬遠する条件が無ければ。

上記に当てはまってしまう場合は、

個別に対策が必要です。

よく問題が起こるのは、

売りたくない場合に、

「とりあえず賃貸にしておこう!」です。

これで後悔されている人が多いのです。

賃貸は、借地借家法を充分に理解して、

しっかりと検討してからでないと選択してはいけないのですが、

世の中、意外に「とりあえず賃貸」を選択する人が多いです。

具体的に何を検討しなければならないかというと、

・入居ターゲット(住宅用か商業用か、その他か)

・事業収支

・契約方法(普通借家か定期借家か)

・メンテナンスの程度(建物の耐久性を考慮)

など、多岐に渡ります。

それを検討せずに軽い気持ちで賃貸に出して、

損をしてしまった!とか、

のちに売りたいとなったときに、

入居者の立ち退き問題などでトラブルになる方が多いわけです。

郊外空き家の場合

売れない、貸せないという問題が起こります。

所在地が遠くて、管理が大変というお話も多いです。

この場合、

安易に選択しない方が良いのが、

建物解体相続放棄です。

今はリモート勤務により、郊外への移住者も増えています。

しかしながら、彼らは土地を買いません。

建物を買い(借り)に来ます。

つまり、資産としての土地に価値を求めているのではなく、

利用としての建物に価値を求めているのです。

そのため、建物を解体してしまったら、

二度と誰も買っても借りてもくれなくなります。

相続放棄については、

相続人全員が相続放棄をすれば「国庫に帰属」という

大前提はありますが、

国もやすやすとは引き取ってくれません。

しかも、いくら放棄しても、次の管理者が決まるまでは

管理責任から逃れることはできないのです。

「相続土地国庫帰属制度」が新しく創設され、

2023年から施行される予定のようですが、

これもハードルの高い制度となりそうです。

(別の機会に解説します)

ということで、

できれば空き家になる前に対策を実行していただくことがベストです。

空き家となってしまうことは事前に予測できているはずですから。

しかし、

様々な事情でそうもいかないという方が多いのも事実だと思います。

なので、

親御さんが元気なうちに、

実家が空き家となってしまった場合はどうするかを、

家族全員で相談し、方向性を決めておくことが大切です。

その際に最も重要なことは、

それぞれのケース毎に、

現状把握を正確に行ったうえで、

考えられる選択肢を全て出して、

それぞれの選択肢についてのメリット・デメリットと

取るべきリスクを検討し、

後悔のないベストな選択肢を選択いただくことです。

その時になって慌てないようにしていただくことをお勧めします。

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