多いこれまでも何度かお話している「空き家問題」。
今後益々増加すると思われます。
まず、一言で「空き家」といってもいろいろな分類に分かれますね。
賃貸と戸建て。
また、売却用や二次的住宅。
そんな中、問題となっているのは、戸建ての「その他の住宅」です。
いわゆる戸建ての「放置空き家」ですね。
国は、提携や支援などにより様々な手を打ってはいますが、実際に「空き家」を所有している人の多くはピンと来ていないことが多いのが実態です。
どういう事かと言うと、私も空き家対策に携わることが多いですが、どうも国が問題としている「空き家問題」そのものが「空き家」所有者自身の直接的な問題認識とズレているように感じます。
そこで、私が考える本当の『空き家対策』についてお話をします。
国が問題視しているのは「老朽空き家」による周辺への悪影響です。
つまり、倒壊などの劣化や衛生または景観の悪化で周辺に悪影響を与えるから「空き家」は問題だと。
ところが、多くの「空き家」所有者はこう言います。
「ウチは空き家あるけど、老朽化してないし、汚くもないし、見た目も悪くない。だから問題ないよね。」
ところが、実際には所有者個人に様々なリスクが降りかかることも知らずに…。
ということで、相変わらず「空き家」は増え続ける訳です。
国の施策(提携や支援による)は、あくまでも「空き家」になってしまったものに対し、利用や活用を促すことに注力しています。
具体的には、宅建協会との提携による空き家バンクでの売却支援や賃貸支援、司法書士会との提携による相続登記支援などです。
「空き家」の利活用事例などにも支援しています。
例えば、「空き家」を地域のミュージアム化したり、活動拠点として利用したりする事例です。
ただ、大抵の事例は地域性がかなり影響していて、再現性(どこでも同じようにできる)はあまりないものがほとんどですね。
これらは、いわゆる対症療法です。
つまり、「根本的な対策とは離れて、表面に現れた状況に対応して物事を処理する」ことをしているわけです。
もちろん、それもとても大切なことですが、やはり根本的な対策ではないと言わざるを得ません。
では、根本的対策とはなんでしょうか!?
それは、当たり前ですが、「空き家化」させないことです。
「空き家」を予防することです。
「空き家」は「予想だにせず突然なる」というものではありません。
必ず事前に予想ができ、結果、当然のごとくなるものが「空き家」です。
今はほとんどの家族が核家族で、ボリューム層である団塊の世代以上の高齢者が夫婦のみで戸建て持ち家に住む世帯がとても多い現状です。
それは何を指すかと言うと、「空き家予備軍」がものすごく多いということです。
その戸建て持ち家に暮らす高齢夫婦は、いずれどちらかが独り暮らしとなり、その先は「空き家」となる。
子世代がその「空き家」をそのままにしておくと「放置空き家」が増える。という構造ですね。
ということは、今後、更に「空き家」は増え続ける。
それを放っておくかどうかが今後の対策のカギとなります。
ということで、高齢者の暮らし方と相続の時点で「空き家化」させないための対策を講じ、「空き家化」の防止を図ることが必要なのです。
そのために必要なことは、結果的に「空き家」を所有する子世代に、「空き家」を放置することで自分達にどれだけの不利益が降りかかってくるかを認識してもらい、危機意識を持ってもらうことです。
「老朽空き家の問題」ではなく、「空き家が自分達に及ぼす不利益」を強調した「空き家」対策が重要と考えます。
私は、今後も「空き家予防」に力を入れた活動を続けていきます。