空き家となった実家を「とりあえず賃貸に!」は危険!?

よくこういった相談をいただきます。

「実家が空き家となってしまい、

そのままにはしておけないので、なんとかしたいのですが‥」

           

もう少し話を伺ってみると、

「できれば手放したくないので、

とりあえず賃貸にでも出そうかと思いますが、

どうでしょうか?」

同様のお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

中には、

アドバイスをする側が

「とりあえず賃貸に出したらどうですか!?」

と言っていることも多々あるようです。

皆さんはどうされますか!?

ご相談に対する、私からのアドバイスはこうです。

「賃貸に出すかどうかは、

しっかり見極めてからにしてください!」


 
それは

何故か!

理由はいくつもあります。

1.賃貸には重い責任が発生する。

2.後々大変なことになることがある。

3.賃貸は経営、経営は軽率な判断で行うべきものではない。

「そんな大袈裟な!!」

とおっしゃる方もおられるかもしれません。

しかしながら、

軽率に「とりあえず賃貸に!」とされて、

後で大変な目に合っておられる方が後を絶ちません。

まず、

1.賃貸には重い責任が発生する。

ですが、賃貸する場合、

建物のオーナー責任として以下の2つのが発生します。

 (1)維持管理責任

   入居者に気持ち良く住んでもらうための維持や管理を

   する責任のことを言います。 

 (2)設置・保存責任

   損壊などで第3者(入居者含む)に被害を与えた場合に、

   被害者に対して損害を賠償する責任。

そして、

2.後々大変なことになることがある。

について、

よくある事例は、

建物の老朽化や、売却したいなどの理由から、

入居者さんに立ち退いてもらおうと話をしたら、

立ち退いてもらえない、や

高額な立退料を請求された。  などです。

借地借家法は、入居者さんに優しくできています。

(つまり、建物オーナーには厳しくできています。)

今は、賃貸借契約で「定期借家契約」も選択でき、

これは上記の問題は少なくなりますが、

入居者から敬遠されることに繋がるデメリットもあります。

最後に、

3.賃貸は経営、経営は軽率な判断で行うべきものではない。

ですが、どんな事業でも、

経営を「とりあえずこれやってみよう!」と、

軽率な判断で始めることは少ないですよね。

(上手くいく可能性が低いですね。)

やはり、綿密に事業計画を立てて、

「いける!」という判断でスタートしますよね。

賃貸も全く同じです。

まず、マーケットの分析をしっかり行い、

メリットだけでなく、

デメリットやリスクも充分想定した事業計画を立て、

「いける!」という判断で行わないと失敗したり、

後悔したりする可能性が高い。

それが「賃貸に出す」ということだ。

ということをしっかりと認識いただいて検討いただきたいのです。

先日も、相談に来られた方から、以下の相談がありました。

不動産屋さんに相談したら、

「立地が良いので、とりあえず賃貸に出しましょう!」

と提案され、100万円以上のコストをかけて改装したそうです。

ところが、入居者を募集しても入居が1年以上決まらず、

結局、かなり賃料を下げてようやく入居者が入ったそうです。

しかし、その途端、実家所有者のお父さんの施設費用捻出のために、

その賃貸に出した実家を売る必要が出てきたので、

どうすればいいだろうか?という内容です。

立退料、引越し費用、引越し先家賃補填等を負担して、

立退き交渉をするしか、今から売却する方法はありません。

事業者である不動産屋に相談する前に、

私に相談いただいておれば、

このような結果にならないようアドバイス出来たので、

悔しい気持ちでいっぱいになりました。

どうか皆さんは、こうならないように気を付けてください。

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