「相続に強い〇〇士」って!?を考察する

いろいろな方から、「相続に強い〇〇士」を紹介してほしい!というご相談があります。


例えば、「相続に強い税理士」とか、


「相続に強い司法書士」


「相続に強い弁護士」


などです。


確かに私はたくさんの専門家と交流がありますので、各専門家の得意分野を理解しています。


ただ、このご相談、私はいつも困ります。


なぜ困るのかと言うと、どのように回答したら良いか迷うからです。


では、なぜ回答に迷うのか!? について解説します。

例えば、「相続に強い税理士を紹介してほしい!」というケース。


税理士は言わずと知れた税金のプロです。


税理士が「相続」で関わる分野は、当然のことながら「相続税」または「贈与税」です。


相続問題を総合的に設計する専門家の私としては、

まず、その目的を探る必要があります。


ご相談者が何をしたいのかということです。


相続税の申告が必要なのか、相続税の節税をしたいのか、相続全般の対策をしたいのか、はたまた相続のことは税理士に相談すべきと勘違いをしているのか。


それを知らずして、適切なアドバイスはできません。


不思議なことに、目的を探ると、相続のことは税理士に相談すべきと勘違いしているケースは多いですね。

(税理士だけではなく、司法書士に相談すべきとか、いやいや弁護士に相談すべきとか)


先程お話したように、税理士は税金のプロです。


相続税の申告が必要な場合、あるいは贈与税の申告が必要な場合は税理士に相談しなければなりません。


税理士の仕事は「税の申告」を報酬を得て代行することだからです。


ところが、相続税の節税法としては、贈与・保険・不動産への置き換えなど、方法論は限られますので、税理士でなくともアドバイスは可能です。

その中で、例えば贈与することに決めたら、場合によっては税理士に申告を代行してもらうという流れです。


しかし、相続全般の対策のことは税理士は領域外です。


つまり、「相続に強い」の意味を考えたときに、何をもって「相続に強い」なのか?


私からすると、唯一「資産税に強い」税理士だけが「相続に強い」税理士ですが、果たしてそういう意味で合っているかを考えないといけない訳です。


「資産税に強い」税理士というのは、相続税の申告において「不動産の評価額を正しく評価できる」と言う意味です。


通常の評価基準のみでなく、不動産の特性を理解し、「時価」で評価する目を持っているかどうかです。


これができる税理士は一握りなのです。


つまり、「相続に強い税理士を紹介してほしい!」は、相続税の申告が必要な場合に不動産を正しく評価できる「資産税に強い」税理士を紹介してほしい!という意味なのか?ということです。


確認してみると、ほぼ全てが違う意味だったりするわけなのですが…。


次に、司法書士は登記や文書作成のプロです。


そのため、相続の際の遺産分割協議書作成や不動産の名義変更である相続登記、また遺言書作成なども司法書士の仕事です。


そういう意味で言うと、ほぼ全ての司法書士は「相続に強い」ですし、逆に言えば、相続というカテゴリーの一部しか知らないとも言えます。


弁護士は紛争解決のプロです。


遺言書作成なども行います。


しかしながら、こんなことを言うと弁護士さんから怒られますが、弁護士は争ってなんぼの商売です。


もちろん人によりけりですが、構造的には争わないよりも争ったほうが儲かるということです。


そのため、下手に弁護士に相談したことで、親族間で揉めてしまったというご相談者もたくさんおられます。


ここで何が言いたいかというと、


多くの方は、「相続に強い〇〇士」をイメージだけで勘違いしてしまっていると感じています。


私は、〇〇士を紹介する場合、「相続を総合的に設計する」という役割柄、本来必要な目的に合わせ適切な専門家を紹介する責任がありますので、ご相談者の目的、家族構成や諸事情、将来を見通し起こり得る可能性などを考慮し、全体を考えた上で判断していますが、一般的には勘違いしたまま選択肢し、結果後悔が発生していることが多いと実感しています。

(後悔してからご相談に来られる方があまりにも多いのです。)


そういう意味では、より多くの方にしっかり正しい情報を伝えていくことも私の役割だなあ、と痛感します。

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