成年後見制度を利用する際の注意点とは!?

「人生100年時代」「超高齢化社会」で考えなければいけない問題が「認知症」です。


2012年には65歳以上の認知症患者の推定者が15%と発表されていますが、

2025年には20%まで上昇するだろうと推計されています。(内閣府発表)


高齢者数が増加し、そのうちの認知症患者率も上昇するということです。


つまり、かなりの高齢者が認知症となる可能性があるということです。


認知症になると問題となるのが、財産管理や契約等の判断能力です。


そこで、判断能力を支援する制度として「成年後見制度」があります。


とても良い制度ではありますが、

よく理解して利用しないと家族が「しまった!」と後悔することもありますので、

利用する際の注意点について解説します。

まずは成年後見制度の種類から整理します。


1.任意後見制度


   本人が判断能力のあるうちに信頼できる人を任意後見人として選任し、

   任意後見契約を公正証書で締結することで、本人の判断能力が不十分となった際に

   本人の代わりに財産管理等を行ってもらえる制度。


   本人の判断能力が不十分となった際に、

   親族や任意後見となる人が家庭裁判所へ任意後見監督人選任の申立てを行う。


   利点は、本人が自分で後見人を選定できること。


2.法定後見制度


   本人の判断能力が不十分となった際に、

   親族などが家庭裁判所へ後見等開始の申立てを行う。


   後見人等は家庭裁判所が選任する。


   利点は、任意後見制度には無い「取消権」があること。

   (悪徳商法など、本人にとって不利益となる契約を取り消せる)   



簡単に説明するとこのような感じです。


〈利用上の注意点〉


■任意後見制度

  

  あくまでも「本人が判断能力があるうち」に公正証書による契約をする必要がある。

  (事前に準備が必要)

 

  また、任意後見人には取消権がないため、

  本人の状況のよっては支援が不十分となる可能性もある。

  (その場合は、法定後見制度への切り替えが必要となる場合も)


■法定後見制度


  後見人等は家庭裁判所が選任するため、

  後見人等の候補として家族の希望があっても、

  その候補が選任されるとは限らない。

 

  家族が後見人等に選任される可能性は低い。

  (その場合は、家庭裁判所登録の専門家等が選任される)


  後見人等に専門家が選任された場合、

  後見人の判断が家族の意向に沿ってくれるとは限らない。


■共通

 

  後見人等または後見監督人、任意後見監督人が専門家の場合には報酬が必要。

  (本人の財産額により家庭裁判所が決定)


  一度後見人等を選任すると、原則、本人が死亡するまで解任はできない。


  後見制度では、本人所有の自宅の処分(売却など)は、困窮など、

  よほどのことがないと難しい。

  (これがネックとなる家族が目立つ)


  遺産分割の際、後見人等は必ず本人の法定相続分を主張する義務がある。

  (不動産が共有となるなど、後々問題となることがある。)



以上を踏まえ、皆さんに最も注意いただきたいことは、

「成年後見制度」という選択が最善なのかどうかを最初に判断することです。


本人の暮らし、身上監護と財産の管理保全に加え、

相続トラブルの防止や子世代への負担の軽減などを視野に入れ、

総合的な検討を行った上で、

上記のような成年後見制度のデメリットやリスクについても充分理解し、

最善の策かどうかを見極めてから選択することが重要です。


家族全員が後悔のない選択をできるよう充分に検討して選択してください。

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