民事信託が効果を発揮するケースと不要な場合とは!?

民事信託(家族信託とも呼ばれています)が

最近になってようやく認知されてきました。


それにより、3年前にはあれだけ取扱いを否定していた専門家(司法書士等)が

こぞって取扱いを始めています。


セミナーにて紹介すると、受講者の中には、まだまだご存じない方も多いですが、

本や雑誌でも取り上げられることが多くなってきました。


そもそも、民事信託とは、信託法による法的ツールです。


ただし、信託銀行が取り扱っている商事信託とは違い、

営利を目的とせず、反復継続しない個人間の信託契約を言います。


効果は様々ですが、不動産を所有している人にとっては有効なツールです。

通常、不動産には所有権があります。


所有権には、受益権と管理処分権の2つの権利がセットになっています。


民事信託では、それぞれを分解し、管理処分権を家族に移すことができるのです。


そうすることで、認知症に備えられたり、使い方によっては遺言の代用になったりします。


そのため、不動産を多く所有する人、特に収益物件(アパートなど)を所有する人は

認知症となったときの経営凍結防止対策として、民事信託はかなり有効と言えます。


しかしながら、メリットばかりではありません


信託法は、民法のような成文法ではなく判例法と言われています。


つまり、しっかりと条文化された法律ではなく、

判例や慣習によって判断か変わってくる法律という意味です。


そのため、信託契約書を作成するにあたり、その家族にとってどのようなことが起こり得るか

充分に予測検討の上、様々なことを想定し内容に反映する必要があります


そうなると、契約書は100家族居れば100通りの契約書になる訳です。


また、契約書だけでなく、信託登記、忘れてはいけないのが信託口口座の開設が必要です。


民事信託を正しく機能させるためには、取り扱う専門家には、

幅広い知識に加え、高いコミュニケーション能力と現状把握力、想定力、

そして文章作成力が必要となり、また、実現するための相当な労力が必要です。


何が言いたいかというと、手間がかかる分、それだけコストと時間がかかるということです。


例えば、不動産といっても「実家」だけという方にとっては、

費用対効果が合わない場合も多いのです。


最近では、ローコストで取り扱いを始めている専門家も出てきているようで、

よく耳にすることが多くなりました。


しかし、よく聞くと、コストを安くしている専門家に共通するのは、

基本フォーマットの契約書を使い回ししているようです。


手間をかけない分、コストを落としているとのことなのです。


正直、それでは本末転倒となってしまう可能性が高いと感じます。


民事信託を利用するなら、しっかりコストをかけて、

時間や手間をかけて「我が家だけの」契約書を作ってくれる、

知識・能力・意識の高い、しかるべき専門家に依頼をすべきです。


できれば、3年以上前から取り扱いしている専門家がベストです。


民事信託は、あくまでも特定領域の問題解決のための一つのツールであり、

万能薬ではありません


重要なことは、様々な観点から総合的に対策を検討し、

本当に必要なツールを選ぶことが必要なのです。


例えば、親御さんが実家を手放して、

安心安全の賃貸住宅へ住み替えるという対策を実施した場合など、

不動産を手放してしまえば、民事信託は不要となります。


我が家にとって、親御さんがお住いの実家にとって、

取るべき対策は何なのか、

正しい現状把握と、総合検討によるベストな選択にて

後悔のない判断をしていただくことをお願いいたします。


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