現状の「相続対策」の問題点とは!?
皆さんは、「相続対策」にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
多くの方は、『資産家が行う節税対策でしょ!?』とお答えになります。
つまり、「相続対策」とは、「相続税対策」のことという認識の方々が多いのです。
Googleで「相続対策」と検索すると、
ずらーっと相続税対策についての記事が並びます。
どうやら、世間でも「相続対策」=「相続税対策」と告知しているようです。
これが問題なのです!
私も今まで、何人もの相談者から相続税の心配事について、
相談を承ってきました。
そのときの相談者は決まって財産保有者の「お父さん、お母さん」です。
『子供達に相続税の負担をかけたくない。』
『相続税なんていう無駄な税金で、子供達を困らせたくない。』
とおっしゃいます。
少しでも相続税額を減らし、相続する財産を増やしてあげたい。
子供達を想う親心はとても素晴らしいです。
一方で、私のところに相談に来られる子世代で、
『相続税が高くて困っている』という相談は一度もありません。
何百件も対応している中で、一度も無いのです。
それは何故か!!
では逆に、子世代からの最も多い相談内容は何かというと、
兄弟姉妹でのトラブル相談です。
ほとんどがこれです。
次に多いのが、
相続税はかかるが、納税できないという問題です。
つまり、不動産等が多く、相続税評価としては、
基礎控除額を大きく超えているが、
納税するための‟現金資産”が無いので困っているという相談です。
(このケースの多くが、節税対策で不動産を活用していたりします。)
つまり、子世代は、相続税がかかったとしても、
資産が現金で納税さえできれば全く困らないということです。
相続税を納めて、残った現金を相続するだけ。
しかも分け易い。
(困るのは、現金化し辛い財産ばかりのケース)
何が言いたいかと言いますと、
本来、相続税がかかる場合でも、
納税資金がちゃんと準備できていれば、
「相続税対策」はする必要はないかもしれないということです。
本来の相続対策とは、
1.円満分割対策
2.納税対策
3.節税対策 の3つです。
第一に揉めないようにすること。
第二に納税できるように準備しておくこと。
ようやく、第三に節税する余裕があるならやっておく。
これが正しい順序です。
ところが、実際には、
「節税対策」ばかりが注目され、
最も大切な円満分割対策がおろそかになっているのが現状です。
(節税対策が優先となり、本末転倒のケース多数)
なぜ、このような矛盾が発生しているのか!?
理由は簡単、以下の2点です。
(1)「節税対策」で儲かる人達がたくさんいる。
(2)円満分割対策をちゃんとアドバイスできる専門家が少ない。
少なくとも、皆さんは、「節税対策」に踊らされないように気を付けてください。
正しい円満分割の方法については、別の機会にご紹介します。
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