田舎の空き家実家を国が引き取ってくれる!?
田舎に実家がある方、いったいどれだけいらっしゃるでしょうか!?
私も今まで、多くの方から田舎実家に関するご相談をお受けしてきました。
ご相談者で多いのは、以下のお悩みですね。
1.相続を放棄したい
2.何とか手放したい
3.家族の誰も相続したくないので、相続手続きを放っているけど大丈夫か!?
私は、田舎の空き家実家を手放すお手伝いを何度もしてきましたし、
相続放棄の問題点を以前のブログでもお話ししました。
もちろん、相続手続きせず放っておくことは問題外です。
そんな中、
今年(2021年)4月に民法改正で、
「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し」がされました。
施行日は、公布後2年以内です。
(つまり、2023年までには施行されます。)
そこで公布された制度で注目すべきものが、
①相続登記申請の義務化
②長期間経過後の遺産分割の見直し
③相続土地国庫帰属制度の創設
この3つです。
これにより、先ほどのお悩みの「相続を放っておく」ことはできなくなります。
逆に、相続放棄せずとも、国が引き取ってくれる可能性が出てきたわけです。

ただし、条件がいくつもあります。
簡単に説明すると以下の5つです。
1つ目 : 完全な更地でないといけない
2つ目 : 敷地境界がはっきりしていないといけない
3つ目 : 管理コストを負担しないといけない(10年分前納)
4つ目 : 要件がいくつもあり、1つでも該当してはいけない
5つ目 : 申請しても必ず承認されるかわからない
当たり前ですが、
国も、引き取った以上、管理をしていかなければいけない(税金で)ので、
コストがかかるもの、手間がかかるものは引き取れない訳です。
私がかかわったケースは全てそうでしたが、
田舎実家なので、まず建物がありますね。
しかも、隣地との境界がはっきりしていないのではないでしょうか。
つまり、申請するためには、
建物を解体し、
確定測量実施の上、境界線を定め、
10年分の管理費相当分を前納する。
つまり、かなり多額のコストを負担する必要があります。
そう考えると、良い制度ではありますが、
ハードルはかなり高そうです。
しかも、国庫帰属制度承認申請のために、
コストかけたのに、申請が通らなかったなんてことも起こりかねません。
田舎の不動産は、
建物があれば手放せる可能性がありますが、
更地にしてしまうと、全く欲しがる人がいなくなります。
こうなると目も当てられません。
いかがでしょうか!?
皆さんは、
いくつもある選択肢の中から、
メリット・デメリット、
それを選んだ場合に取るべきリスクを充分に比較検討の上、
慎重に選択いただきたいと思います。
後悔のない選択のために!