相続対策が絶対必要なケースって!?

「相続対策」というのは、相続税の節税対策のことではありません。


毎回お話していますが、金融資産を相続する相続人で、相続税を納税して「困った」となる人はいないので、

相続税の節税対策というものは、優先して行うことではないからです。


では、何故「困った」とならないのか!?

それは、納税後の残りの金融資産を相続するだけなので、相続する金額が多少減っても「困る」ことはないからです。


相続で相続人が「困る」のは、

①相続税が納税できない(相続財産が売却しにくい不動産ばかりで現金がほとんどない)

②兄弟姉妹間のトラブル(揉めて分割協議がまとまらず、遺産分割がいつまで経ってもできない)

③負担を相続してしまう(債務の相続、負動産の相続)

などといったことです。


つまり、相続対策とは、上記のような状態にならないように、

親御さんがお元気なうちに対策を講じることを言います。


では、絶対に対策が必要と思われるケースはどのような場合でしょうか!?


もちろん、100%ではありませんが、

過去の事例から、相続人が「困った」となる確率が高いケースを5つご紹介します。

1.実家に子世代の誰かが同居しているケース


対策してからの同居は問題ありませんが、

何も考えずに同居した場合は、とても子世代の兄弟姉妹間トラブルとなり易いケースです。


特に危険なのは、

例えば、古い実家を解体、建替え、父親の土地に長男名義で二世帯住宅を建築したというケースです。


多くの方が、将来の相続のことまで予測して計画することはしませんので、突然相続が発生すると、

他の兄弟姉妹から、家と土地を売って、そのお金で遺産分割してよ!と請求されること多発です。


そのため、建替えを計画する際に、兄弟姉妹を巻き込み、

相続の分割のことを踏まえて進めていただくべきケースです。


それができなかった場合は、親御さんが元気なうちの、とにかく早い段階で対策を検討すべきです。


2.親が自宅以外に収益物件を所有している(アパート等)


このケースはとても多いですね。

昔ながらの地主さんのところは、ほぼ該当するのではないでしょうか。


この場合、郊外で意外と多いのが、現金資産があまりないケースです。


アパート経営があまり上手くいっていないことも多いです。


という場合で、対策が必要な事項としては、

まず経営対策、次に認知症対策、そして納税対策、分割対策です。

それらを総合的に検討し、ベストな対策を講じたいところです。


親御さんがお元気なうち対策し、実行まで移しておかないと、

そのときになって大変なことになる確率が高いのです。


3.親の財産がほぼ不動産で、その内訳が貸地や貸家ばかり


2と同様に、昔からの地主さんで多いケースです。


周辺都市の古い住宅街に多いと感じます。


先々代くらいから、「いいわいいわ」で安い地代で土地を貸したり、

借家を建てて、安い賃料で貸し、現在は古い借家に高齢の入居者ばかりというケース。


このケースは、ほぼ現金資産が多くありません。

総資産収益率がとても低いことが多いからです。


という場合で、対策が必要な事項としては、

まず、早く取り組まないといけないのは、借地・借家対策です。


たいていは正当事由の主張が難しいため、交渉に難航するとは思いますので、

早くから取り組まなければなりません。


合わせて考えたいことが、納税対策です。


不動産が多いと評価高く相続税が発生しても、

現金が無く、しかも、売却して現金化できる不動産もあまりない可能性があるからです。


もちろん、認知症に備える必要もありますし、分割のことも視野に入れないといけません。


4.田舎に実家があるケース(しかも将来は誰も住む予定無し)


このご相談がとても多くなってきました。


今は核家族化で、ほとんどの子世代は別の地域で暮らしています。


なかなか、将来は実家に戻って住むという方はいらっしゃいません。


中には相続が発生し、空き家となった実家を誰が相続するかで揉め、

所有権が決まらないまま放置している人も増えてきているように感じます。


現状、リモートワークの充実とともに、環境の良い田舎で生活したいという需要が増加しているので、

以前よりも田舎戸建てのニーズは増えたと実感しています。


今なら、建物がある限り手放すことができる可能性はあります。

(売却金額に欲を出すことはできませんが)


ところが今後、住宅需要が激減していくにつれ、益々手放せなくなります。


該当する方は、検討するなら今です。


5.不動産が共有状態になっている人


私からすると、とても不思議なのですが、

不動産が兄弟姉妹で共有となっているケースがとても多いのが実態です。


・兄弟姉妹平等にと、あえて共有としてしまうケース

・相続人の誰かが遺産分割に参加できず、法定相続分相続で共有となるケース 


など、事情はいろいろあると思いますが、

これ以上、共有者を増やさないようにしていただきたいものです。


もしも、親御さん名義の不動産が親御さんの兄弟姉妹共有となっていたら、

親御さんとその兄弟姉妹が健在のうちに共有を外す手立てを考えないと、

将来は共有者がどんどん増えていくことになります。


少なくとも、ご自身が相続する際、不動産は絶対に兄弟姉妹共有とならないよう、

していただきたいものです。


以上、相続対策が必要な代表5つのケースをご紹介しましたが、

全て共通していることは「不動産が関係している」です。


金融資産ばかりのご家族は、相続税の納税さえ覚悟いただけば、

特に何もする必要はありません。


不動産を所有している家族は、それぞれいろんな相続対策が必要となることが

多くなりますので、ご注意いただきたいのです。

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