top of page

空き家となった実家を賃貸する際の注意点とは!?

空き家問題の深刻化に伴い、様々な団体が空き家活用に取り組んでいます。


ご相談者の中でも空き家となった実家をどのように活用すれば良いかお悩みの方は多いです。


国やマスコミは、話題とし易いためか、様々な団体が取り組んでいる空き家活用事例をもてはやしがちだと感じておりますが、現実問題として「空き家問題」は「空き家所有者」の問題であり、活用事例が何であれ全く関係ないというのが実態です。


つまり、空き家活用事例というものは、たまたま立地やら各諸条件が揃ったからできたというだけで、どこでも採用可能な「再現性」がないものがほとんどなのです。


また、所有者が自ら活用した、あるいは団体が所有者から購入して自社(自分達)で活用したということならまだしも、空き所有者から建物を賃借して活用しているということであれば大きな課題が残ります。


私は、空き家所有者が建物を賃貸する際に、賃借人との契約条件などのチェックを行っています。


それは、リーガルチェックという意味ではなく、賃貸をする所有者にとって不利となる契約にならないかをチェックし、不利とならないために必要な条件や条項を賃借人との契約に入れてもらうことを目的としています。


これまで対応したケースでは、毎回、賃借人側の不動産屋やリフォーム会社から、「こんなに条件を要求されたことはない!」と言われています。


彼らの言い分によると、通常はもっと簡単に賃貸借契約を結んでいるとのことです。


それを聞くと、毎度「一般的には怖いことになっているのだなぁ!」と感じます。


つまり、一般的には、貸す側(賃貸人)は自分に降りかかるリスクを知らずに貸してしまっているケースがほとんどだということです。


そこで今回は、建物を賃貸するときにはどのようなことに気を付けるべきかを解説します。

核家族が中心の現在、実家が空き家となる方は増える一方です。


実家が空き家となったとき、最も多いのが、「なんとなくそのまま維持していく。」です。


私は、講座等ではこうお話しています。


「親族が誰も使わないのであれば、なんとなくそのままにせず、手放すなりなんなりの手を打ちましょう!」と。


また、現在は、空き家になると様々な事業者から連絡が入ることも多いです。


「売りませんか?」 「貸しませんか?」


ここからが本題です。


手放すと判断された方は問題ありません。


「やっぱり手放したくないなぁ!」と言う方が賃貸を選択される訳ですが、多くの方がこのような意識だと思います。


「とりあえず賃貸しとくか!」


周りから「とりあえず賃貸にしといたら!?」と勧められる方も多いですね。


今は、店舗や事務所などの事業用に空き家を借りたいという事業者も増えてきましたので、いろんな引き合いが出てきていることも事実ですので、それに関わる事業者も「賃貸」を勧めてきます。


でも、「とりあえず賃貸」とすることで、後悔する人が後を絶たないのが実態です。


では、賃貸すると決めたら気を付けることは何か。


1.契約形態


普通借家契約とするのか、定期借家契約とするのか。


それぞれにメリット・デメリット・リスクがあります。


2.建物の修繕・維持管理


どの時点で誰がどのように修繕や維持管理をするのか!?(賃貸人と賃借人の分担)


3.災害などへのリスクヘッジ


建物の所有者が負担する責任への対策。


4.出口戦略


最終的にはどうするのかの判断とその対策。


5.事業収支


建物を賃貸するということは立派な「事業」です。収支の予測確認は必須ですね。


あとはケースバイケースです。


といったことなどを確認することが大切です。


私はいつも、ご相談者に代わってこれらをチェックし、相手方(賃借人側)と折衝します。


建物の賃貸に関して大きく関わる法律に「借地借家法」があります。


これは、「借り手」を保護するためのものであり、貸し手は「賃料」をもらう事業者なのだから、相応の責任と借り手を保護する立場で賃貸しなさい!という建付けとなっています。


「賃貸人からの解約申し入れには正当事由」が必要となっていることもそこからきています。


正当事由が認められるためにはよほどの事情がないといけないのです。


貸した後、「やっぱり売りたいから出て行ってくれ!」と言えないとか、出て行ってもらうためには高額な立退料が必要となるといった事態になりかねません。(そうなる賃貸人が大多数ということです。)


まとめますと、建物を賃貸するということは、賃料を受取る以上はとても重い責任が伴うということです。


間違っても「とりあえず賃貸に!」などと考えてしまうと後悔の元になるものなのです。


それを充分に理解して検討しないと結果的に後悔することになりますので注意が必要です。

Comments


最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
bottom of page