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話題の「民事信託」は要注意!?

最近、民事信託(家族信託と呼ぶ団体もあります)の認知度が上がってきたように思います。


私が「実家相続」講座をやっていて、受講者の皆様の中には知っている方も出てきました。


少し前までは、一般の方だけでなく、相続に携わる専門家の中でも知らない人が多かったですが、さすがに、いたるところで民事信託を訴求するセミナーなどが開かれておれば認知度も上がってきておかしくないと感じます。


ただし、認知度が上がれば上がるほど、懸念していた問題点も顕在化しているため、取り扱いには充分注意をしたいところです。


そこで、今回は、民事信託を検討する上での注意点について解説いたします。

民事信託が効果を発揮する代表的な事例は、アパート経営などの不動産所得がある方の認知症対策や、地価が高額な都心の不動産を代々血筋で受け継ぐための財産承継対策などです。


信託は幅広い解釈により、様々な利用ができることも魅力的ではありますが、それは、取り扱う側が熟知をして、背景を含め充分想定できてはじめて機能するものです。


私が民事信託を学んだのは、今から約8年前のことです。


その際は、関わる専門家全員に「民事信託を知っているか? 取り扱うか?」と質問していましたが、知っている、あるいは取り扱うと答えた専門家は皆無でした。


それ以降、民事信託が認知されるにつれ、取り扱うと答える専門家が増えてきましたが、会話をしていると、明らかに誰もが知識不足、思慮不足なので、「大丈夫か??」と感じましたし、この先に起き得る事態を懸念しました。


私が以前より懸念していたことは、以下の2点です。


1.未熟な知識と経験などで取り扱う専門家が激増するのではないか。


2.民事信託ありきで勧めてくる「売り意欲の強い」専門家も出てくるのではないか。


最近になり、やはり懸念していたことが顕在化してきたな!と感じるようになりました。


安易な信託契約・信託登記により信託口口座が開設できなかったケース、家族トラブルの元となったケース、受託者となった長男が不適地で土地活用を行ってしまったケースなどトラブルが頻発している話を耳にしています。


民事信託はとても魅力的なツールであることは確かですが、万能ツールではありません。必殺技ではないのです。


あくまでも対策手法の1つに過ぎません。


最も大切なことは、しっかり現状把握を行い「我が家にとっての課題が何か!?」を正確に見極めた上で、必要な対策手法を適正に選択するということです。


勧められるままに特定の選択肢ありきで対策を行ってしまうと、結果的に後悔してしまうことが多いのが現実です。


皆様は、考えられる選択肢全てを充分に検討いただき、後悔のない対策を実施いただくようお願いいたします。

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