遺言書は相続トラブルの原因になるって!?

「争族対策には遺言書」とよく言われます。

確かに、不動産の名義変更など、遺言書があれば遺産分割協議をせずに実行できるという意味では、いわゆる紛争を避けることはできます。

ただ、それはあくまでも以下の場合に効果を発揮するということです。

1.相続人の誰かが意思能力喪失状態の場合
2.相続人の誰かが行方不明の場合
3.相続人の誰かが悪質(超利己的など)な場合
4.相続人同士(兄弟姉妹)が既にいがみ合っている場合

以上のような状態で、相続人から外すべき事情があるときや、あらかじめ相続人各人の相続分を決めておく必要のあるとき。

こういった事情があるときは、積極的に遺言書(公正証書がベスト)作成が問題解決の武器になることがあります。

ところが、実際には問題のある遺言書が散見されます。

どういう事かと言うと、遺言書のコピーを持って相談に来る人がやたら多いのです。

つまり、遺言書が元となってトラブルが発生している家族が多いということです。

そういったケースでは、決まって遺言者(財産を持っている人)と遺言される相続人の当事者のみが遺言の事実を知っていて、他の相続人(兄弟姉妹)は知らず、相続が発生してから知らされています。


ご相談内容を聞いていると、毎度「それはトラブルになるなぁ!」と感じます。


また、これも決まって、見せていただく遺言書には「付言」が書かれていません。


もちろん、遺言書は遺言者(財産を持っている人)の意思を法的な効力をもって遺すものです。


つまり、全相続人に内容を伝えずとも作成はできます。(そこが問題なのです!)


しかしながら、遺言者(財産を持っている人)は、せっかく仲の良い子供たち(相続人ですね)に揉めてほしいと思って遺言書を遺すわけではないですよね。


むしろ、その逆で、揉めて欲しくないから手間とコストをかけて遺言書を遺すわけです。


ところが、どういう訳か遺言書が元のトラブルは後を絶たないのです。


本来、遺言書作成をサポートする専門家が、家族への説明や調整をしっかり済ませ、家族全員の納得をもって遺言書作成の手続きに入る。

更に、「付言」もしっかり書き添えて完成させておけば、そういったトラブルを避けることができるはずなのですが、何故かそうなっていないのが現実だということです。

(遺言書作成をサポートする専門家が家族内調整をしていない結果だと感じます。)


何が言いたいかと言うと、遺言書を作成することが大事なのではなく、相続が発生した際に相続人全員が納得してスムーズに円満相続が実現できるよう、遺言者(財産を持っている人)が元気なうちに家族内での調整を行い、家族全員が納得できるよう決まった内容をエビデンスとして遺言書を作成するという順番が重要ということです。


また、「相続人平等に!」という願いを込めて作成された遺言書には、全ての不動産が全相続人の共有状態となるよう記された遺言書を何回も見てきています。

これも、将来トラブルの原因となりますね。


せっかく手間とコストをかけた遺言書が元で相続トラブルにならないよう、充分に気を付けていただきたいものです。

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