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遺言書を作成する際に気を付けるべきことは!?

以前にブログ「遺言書は相続トラブルの原因になるって!?」で解説しましたが、本来、次の世代で揉めないようにわざわざ手間とコストをかけて作成したはずの遺言書が原因となっているトラブルが後を絶ちません。


そこで、今回は、遺言書を作成する際に気を付けていただきたいことについて解説いたします。

なぜ遺言書がトラブルの原因となるのか!?


第一に、遺言は「遺言者の意思を遺すもの」という建前があるから。


つまり、遺言者の意思さえあれば、受遺者(次の世代など)の意思は関係ないという考え方があるからです。


第二に、遺言書を作成する専門家(弁護士・司法書士・行政書士)は書類作成は行いますが、家族内での分割案をサポートをしませんし、ましてや不動産に明るくないことが多いからです。

(不動産の価値や、活用法などの専門分野について知らないから)


上記2つの理由によって、当たり前に遺言書が元となる相続トラブルが発生する訳です。


つまり、遺言書を作成する際、受遺者以外(子世代など相続人全員)の意思を確認せず、遺言者(親世代)と専門家のみで遺言内容を決めるという、いわゆる「文書作成」だけの手法となってしまっているため、遺言内容に不公平感があると、相続発生時に初めて遺言の事実を知った子世代(受遺者でない人)は憤慨し、兄妹姉妹間トラブルとなってしまっている訳です。


特に不動産が多い家族は要注意です。


今まで何度も、全ての不動産が法定相続分で共有化してしまう内容の遺言書を見てきました。


理屈上は平等に見えるように作成されていますが、実際にその遺言を実行し、全ての不動産が共有状態となってしまうと、後々トラブルの元となったり、場合によっては将来共有者が増加して動かせなくなってしまうリスクが大きくなります。


こうなる理由は、

遺言者は「皆平等に!」と願い、「子供達が揉めないように遺言書を書きたい!」と専門家に相談します。


遺言者の財産は、現預金よりも不動産の方が多く、自宅以外にアパートや貸し宅地など多用途に使われ財産価値もバラバラです。


相談を受けた専門家はどうするかというと、多数の不動産など財産価値がバラバラの場合、一見平等と見える「法定相続分による共有化」が最も簡単ですし、それ以外の方法論はノウハウがないので、全ての不動産を法定相続分による共有となるように遺言書を作成することが自然な流れなためです。


以上を踏まえ、遺言書を作成する際は「順序」に気を付けていただきたいのです。


1.遺言書は「書けば良い!」でないことを認識する。


2.家族(次の世代)が円満となるように分割案を決める。


3.家族(次の世代を含め全員)で納得ができるまで調整する。


4.家族全員の納得できる内容で遺言書を作成する。


2の「分割案を決める」作業と、3の「家族全員が納得できるまで調整をする」ことがキモです。


遺言書は、決まった内容を法的効力のあるエビデンスとして残すという効果にすぎないのです。


遺言書は法的効力があるからと、「必殺技」のように捉えることは、とても傲慢なことです。


そのため、専門家に促されるまま「文書作成」のみを行うことは、遺言者(親世代)の本来の目的(子世代が仲良く相続してほしい)を達成できないことが多いのが現実です。


間違った進め方をして、結果的に家族に後悔を残さないように気を付けていただくことを願います。

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