間違いだらけの相続対策!?
「相続対策」でネット検索すると、
出てくる情報のほとんどが『相続税対策』についてです。
つまり、相続税の節税対策についての情報が多いですね。
相談に来られる方の中、特に男性の親御さんは「相続税」のことを気にしている方が多いです。
無駄な相続税を少しでも減らしたいと考えていらっしゃいます。
男性のお親御さんとしては、せっかく長年かけて稼いだお金を、相続で国に治めるなんて、
なんてもったいないんだ!と感じていらっしゃるようです。
お気持ちは良く分かります。
ところが、相続の際、子世代はどう感じるでしょうか!?
現金資産が多いご家族の相続の場合、子世代から「相続税が高くで困っている!」という
相談を受けたことはありません。
つまり、子世代としては、親御さんの財産から、相続税を支払った残りを実質財産として
受取るだけなので、けっして「困った」にはなりませんね。
それは何故か!?
相続税が相続財産を上回ることは絶対に無いからです。
しかしながら、今でも「相続税対策」が主流となっており、
それによって失敗したり、後悔する家族が後を絶ちません。
相続対策の基本は、
①分割対策 (子世代間のトラブル防止と負担の軽減)
②納税対策 (相続税はかかるが、現金資産比率が低く納税資金確保が難しい場合)
③節税対策 (①②をクリアし、余力があれば)
の順です。
決して、節税を主に考えてはいけないのです。
私は、節税を優先した結果、失敗してしまった家族をたくさん見てきました。
(分割が難しい、納税資金が捻出できない等)
「相続税対策」を枕詞に使った、事業者の甘い言葉に乗せられて、
後悔する、または子世代に負担をかけることの無いように気を付けて
いただきたいものです。
また、「争族対策」のために『遺言書』を!
これも半分間違いだと思っています。
私は、遺言書がある家族のトラブルもたくさん見ています。
つまり、遺言書があればトラブルが避けられるなんてことはないのです。
遺言書がもとでトラブルになることも実に多いからです。
分割対策は、家族全員で分割内容の意思共有をしてから、
エビデンスとして法律的に効力のある遺言書を作成するという流れが必要です。
他の家族が知らないところで作成された遺言書は、トラブルの種です。
遺言書が重要なのではなく、
正確な現状把握をした上で、
家族全員が気持ちよく納得できる分割案を立案することが最重要なのです。
遺言書や、民事信託(家族信託とも言う)は、あくまでも実行を裏付けるツールに過ぎません。
お間違えのないよう、正しく対策をしていただき、家族円満の相続を実現してください。