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「遺言書」作成が最大の争族対策って本当!?

「争族対策には遺言を残しておくことが最も効果的です。」

と専門家から説明を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。

インターネットで検索しても、

「相続税対策」の次に出てくるのは、「争族対策には遺言書作成が一番!」という文言です。


果たして本当なのでしょうか。


結論から言います。


私は違うと思っています。


正確には、「遺言書があれば、遺産分割協議無しで不動産の相続登記や銀行口座の名義変更ができる。」です。


何が言いたいかというと、争族防止が出来る訳ではないということです。


実際に、私は、遺言書がある家族のトラブル相談を何件も受けています。


『介護をしてきたのは長女と次女なのに、何もしていない長男に全財産を相続させる遺言書であった。』

という内容は、本当に多いです。

家族が遺言内容を知らないケースですね。


こんなものもありました。


相談者が持って来られた遺言書を見ると、亡お父さん所有の2棟の賃貸住宅と1棟の貸家、そして自宅が、

全て相続人全員の共有状態(お母さん、長男、次男、長女、次女の計5人)となってしまうように書かれていました。


そうです。

法定相続分の割合で、お母さんが1/2、残り4人で1/8ずつ名義を付けるようになっていたのです。


生前、お父さんは「皆平等に!」と、常々おっしゃっておられたそうですので、きっと、専門家に遺言書作成を

依頼したときも「家族皆平等にしたい!」と依頼されたのだと推察できます。


しかし、コストをかけ、実際出来上がった遺言書には、共有状態というトラブルの種が作られていました。


そのご家族には、遺言を執行せず、家族全員で納得できる内容にて遺産分割協議をしていただき、

共有とならないように単独名義の相続登記をしていただきました。

登記する前にご相談に来ていただいて、本当に良かったと思います。


いかがでしょうか!?

果たして、「遺言書作成」は、最大の争族対策でしょうか!?


争族対策のポイントは3つです。


1.家族全員が納得できる内容であること。


2.不動産は、時価の評価とともに、今後の維持管理費用や収益性も含めて平等となるように考慮すること。


3.上記1・2を踏まえ、家族全員で情報共有し、合意した内容を遺言書等の法的効力ある書面に残す。


つまり、争族対策で大切なのは遺言書ではなく、揉めないように現状把握をした上で家族の合意が整うことなのです。


家族が知らないところで作成した遺言書や、不動産のことをよく知らない専門家が作成した遺言書は、かえって

トラブルのもととなるので、充分に気を付けていただきたいものです。


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