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遺言書があっても、なぜ相続で揉めるのか!?

「争族対策には遺言書!」とよく言われます。

これは本当なのでしょうか!?

どうしてこのように言うかといえば、私は、これまでに遺言書がきっかけとなった相続トラブルをたくさん見てきたからです。
あまりにも遺言書きっかけの相続トラブルが多いので、理由を探ってみました。

その理屈ですが、

まず、遺言書の法律的な見解を簡単に表現すると「遺言は遺す人の想いを法律的に書面に残すもの」と解釈することができます。

その前提にあるものが「法定相続人とか法定相続分」です。

つまり、相続において、相続できる人と相続する割合は法律で決まっていますよ!というものです。

そもそもこれが揉める元になっていることは言うまでもありませんが、その法律に反して残したい人に残したいものを「遺言書」として残せば法律的に有効になりますよ!ということです。

何を言いたいかというと、全てその根底にあるものは「法律」(民法)です。

では、法律(民法)は何のためにあるのか。

調べてみると、「民法」は、国民同士の関係を公平に保つためのルールブックのようなもの。
と出てきます。

公平とは、平等とは違い、個々の諸条件を考慮した上で目的が同じように達せられることだと思います。

つまりは、個々の「納得」の上に公平が成り立つのではないでしょうか。

しかしながら、「法定相続分」は「公平」ではなく「平等」の規定となっています。

だから揉めるわけですが、今度は、それに反して、遺す人が民法の規定とは違う内容を勝手に指定してしまったら揉めない方がおかしいと言えるかもしれません。

前置きが長くなりましたが、つまり、遺言書が揉める元となる真因は、遺す人が一方的にその希望の内容を指定するものであり、遺される人のことは無視しているからに他なりません。

どういう事かと言うと、遺す人の勝手な想いで、遺される側全員が「納得」できていないかもしれない内容を勝手に書くと揉めますよ!ということです。

相続トラブルはどこで起こるのか!?

それは相続人間、そのほとんどは兄弟姉妹間です。

であるならば、その兄弟姉妹全員の「納得」を無視して遺言書なんて作成したら、それこそ揉めない方がおかしいと言わざるを得ません。

揉めることを前提に書く遺言書ならば話は別ですが。(中にはそういったケースもあると思います。)

では、遺言書作成の現場ではどのようになっているのかというと、関わる専門家は皆「遺す人の想った通りに書けば良いですよ!」だけで作成されていることがほとんどなのです。
(もちろん、中には丁寧に相続人全員の「納得」に合わせるための調整をする人もいるでしょう。)

ただ、あくまでも法律的見解が「遺す人が遺したいように書けば良い!」ですから、わざわざ関わる専門家が、敢えて相続人全員の「納得」を調整する義務もない訳です。

しかも、相続人全員の「納得」を調整するためには、何よりも大切な「人の感情」を読み取らなければならず、法律とは全く関係のない、心理学的な要素を含むコミュニケーション能力を中心とした調整ノウハウが必須となりますから、逆に手を出さない専門家の方が多いかもしれません。

ということで、実際の遺言書作成の現場では相続人全員の「納得」は考慮されず、遺言する人の想いだけが優先されて作成されるため、結果的に相続発生時に特する相続人ではなく、損する相続人が「何それ、どういうこと???」と言って憤慨し、兄弟絶縁となる現実が散見される訳です。

また、遺言書がある場合、損する相続人には遺留分といって、自分の相続分が本来の法定相続分に満たない場合は最低限請求できる権利がありますので、きっとそれを請求することでしょう。

では、侵害された金額、請求できる遺留分はいったいいくらなのか!?

相続財産に不動産を含む家族の相続の場合、不動産は財産価値を明確にすることが難しい財産なので、本来の法定相続分がいくらだったのかということから割り出す必要が出てきますね。

遺留分を請求する側は高く評価したがるでしょう。

請求された側(遺言で得する方)は出来るだけ低く評価したがるでしょう。

それを裁判などで争って決めざるを得ない。なんてことになりかねない訳です。

では、そのような泥沼化しないように遺言書を作成するにはどうすれば良いか!?

それは、プロセスを考えながら進めることしかありません。

1.我が家の課題の洗い出し(正確な現状把握)

2.相続人全員が本音で「納得」できるように設計する

3.家族全員で「納得」案を共有して

4.はじめて遺言書というエビデンスを作成する

という流れで進めることが大切です。

1~3については家族調整を含めて設計が得意な専門家に依頼し実施。

4を弁護士や司法書士のような書類作成の専門家に依頼するという分業が必須です。

これから遺言書作成をお考えの皆様には、プロセスを間違えて相続人が後悔することのないようにしていただきたいものです。

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