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空き家問題の深刻化とその要因

4月25日
読了時間: 4分

更新日:3 日前

空き家問題が注目されています


世間で空き家問題がしょっちゅう話題になっています。様々なメディアでも紹介されていますね。しかし、私は空き家問題に取り組んでいる身として、国や行政、そしてメディアの捉え方に違和感を感じています。

国や行政が問題視しているのは「老朽空き家」です。建物がボロボロになることで地域に迷惑をかけるから問題だと。そして、対策として「特定空き家」や「管理不全空き家」というレッテルを作り、該当する空き家所有者に厳しい措置を講じる方向で進んでいます。また、メディアは話題性のある空き家の解体や利活用を提案する業者・団体を特集する傾向にあります。

これでは空き家問題は解消しないと思えてなりません。なぜなら、それらは空き家問題の本質ではないからです。そこで、私なりに空き家問題がこれから更に深刻化するであろう要因について考えてみました。

空き家問題の主な要因


主な要因は3つだと考えています。

1.構造的要因


(1)人口・世帯数減少による余剰住宅ストックの増加


新築着工戸数は80万戸、住宅滅失戸数は10万戸。これを計算すると、毎年70万戸のストックが増加しています。人口は既に減少局面に入っていますし、住宅を必要とする家族世帯も減少するばかりです。このままいけば、余剰住宅が増え続け、空き家が増加することは避けられません。

(2)不動産価値低下(不動産価値二極化の加速)


住宅ニーズが減少すると、価値ある不動産は限定され、残りは価値が下落します。価値が下がると、売却できないか、売れても低価格。解体等の経費が上回ることもあります。結果として、「放置するしかない!」と考える所有者が増えるのです。

2.心理的要因


(1)大切な実家を失いたくないという心理


核家族化の事情もあり、思い出や想い入れがあると、簡単には手放したくないものです。

(2)仏壇などの大切なものがあるという心理


問題を先送りする心理が働きます。片付けようと思えばできるのに、面倒だから理由を付けてやらないことが多いです。

(3)土地神話世代からの「不動産は財産」呪縛心理


先祖代々の土地は守れ!という強迫観念が働きます。親が苦労して手に入れた家だから、手放せないのです。

(4)どうせどうにもできないと諦める心理


売ることもできない、売れても経費の方が高くつくなら、このまま無かったことにしようと考えるのです。

3.仕組み・制度的要因


(1)税制


空き家に対しては、固定資産税等の軽減措置解除など、厳罰規定重視でインセンティブは極小です。空き家所有者からすると、解体して更地化しても固定資産税は高くなる(どのみち軽減措置解除)ので、結局は一緒です。真面目に解体してしまうと、解体費用が高くつくと感じてもおかしくありません。

(2)行政等の対応体制


宅建協会、司法書士会、弁護士会等、特定分野の専門家との連携のみで体制が万全だとしていることは問題です。家を建てるのに、大工や基礎屋、電気屋、設備屋、屋根屋などの職人を集めるのと同じです。設計という最も大切な要素を考えていないのです。空き家対策は、まずは設計してから特定分野の専門家に渡すようにしないと解決しません。

(3)所有者への働きかけ方


多くの行政では、空き家所有者からの相談を受け付けるという「受け身」の姿勢です。「空き家相談会」の開催など、相談に来る人は藁をもつかむ思いで来る末期症状の人が多いものです。しかし、末期症状のケースは、既にどうにもならないという結末に終わる場合が多いことは言うまでも有りません。働きかけるべきは「潜在的所有者」なのですが、彼らは空き家問題そのものを認識していません。

空き家問題の解決に向けて


このように、3つの要素を総合すると、空き家問題は加速度的に増加するものと思われます。物理的にどうやっても増え続ける構造であることに加え、制度や行政等の対応が、所有者の心理を十分に理解した上で、先回りした手を施すような仕組みとなっていないことが、今後空き家問題が解消するどころか、更に深刻化する要因です。

つまり、空き家所有者の心理を十分に理解した上で、空き家所有者や次世代にとって「空き家放置」がどれだけデメリットがありリスクなのか、今から行動することのメリットをしっかり理解してもらう活動が必要です。もっと言うと、空き家所有者ではなく「空き家予備軍」と言われる『実家の親世代』に向けて、今のうちから行動してもらい「空き家としない」働きかけを丁寧に実施することが重要です。

以上の2点が空き家問題解消に向けた本質的な取り組みなのです。そのため、もっと民間で対応を進めないといけないところですが、本来扱うべき不動産業者はお金になるものしか扱いませんし、面倒な活動を毛嫌いする人も多いです。

都心の坪単価が高い不動産は喜んで扱うものの、郊外の安い不動産は嫌がります。それらを踏まえ、私一人が声を上げたところであまり変わらないかもしれませんが、たとえ1件でも空き家問題で後悔する人や負担を抱えて困っている人を増やさないために、出来るだけの活動を続けていきます。

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