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実家の相続は「法律論」だけで考えてはいけない!?

相続は「法律論」で語られることが多いものです。


相続にかかわる代表的な法律は「民法」と「税法」。


相談者からも、とかくこの2つについての質問が多かったりします。


代表的な質問は、「法定相続分」(民法)についてと、「相続税の節税」(税法)についてです。


しかし、本当にこの2つの「法律論」を考えておけば相続問題は解決できるのでしょうか!?


今回はこの難しいテーマについて解説します。

私はこれまで多くの方からのご相談をお受けしてきました。


ご相談者の多くは顕在化してから、慌ててご相談に来られることが多いものです。


その理由は、「人は困って初めて相談するから」です。


つまり、問題が目の前に顕在化し、困ってから初めて相談するという人がほとんどなのです。


そんな中で見えてきたことがあります。


1.顕在化する前の『事前の対策』がとても重要であること。


2.[法律論]の出番は顕在化した時だけであること。


3.『事前の対策』には「法律論」だけでは後悔する可能性があること。


顕在化した方のご相談をお聞きしていると、いつも「もっと早く相談いただいておれば…。」と思います。


事前に対策さえしておれば、このような結果にはならなかったのに、と。


さて、顕在化してからのご相談で特に目立つのが以下の2つです。


Ⅰ.相続トラブル


この内訳として2つのケースが存在します。


①何も対策せず、成り行きで相続が発生したために兄弟姉妹で揉めてしまった。


②事前の対策として親世代が遺言書を遺していたことで兄弟姉妹で揉めてしまった。


相続トラブルの場合、顕在化してからでは「法律論」に頼らざるを得ません。


調停や裁判などで、法律的に結論を出すしか方法がないのです。


兄弟姉妹間で骨肉の争いを高額なコスト、そして労力、時間をかけて繰り広げる。


「法律論」の出番はできれば避けていただきたいものです。


不思議に思われるかもしれませんが、②の遺言書がある家族の兄弟姉妹間トラブル。


実はとても多いのです。


一般論では「争族対策には遺言書」と言われますが、公正証書遺言はトラブルの元です。


遺言書は書けば良いというものではないのです。


確かに遺産分割協議を省略できるというメリットはありますが、揉め事を避ける効果はありません。


遺言書は書くことが大切ではなく、家族円満対策を行った上で、エビデンスとして用意することが重要です。


Ⅱ.相続税が納税できない


このケースでとても多いのが、親世代が相続税の節税を頑張ってアパートなどを建てていた。


節税が悪い訳ではありませんが、やたらアパートオーナーの相続で多い現象なのです。


事業者に勧められ、立地が良くない(賃貸事業に向かない)場所でアパートを建てる方が多いためです。


こういった家族は、相続税で気にすべきは、節税ではなく「納税資金の確保」です。


むしろ、「相続税の節税」は事業者の常套トークなので気を付けていただきたいものです。


節税を謳い文句に、何かの購入を勧めてきたり、契約を迫ってくることに繋がりかねません。


親が相続税の節税対策のためにアパートを建てたという家族は、早めに課題有無確認をお勧めします。


以上、「法律論」を意識している家族でいろいろ問題が起こっているのが現状です。


また、事前の対策では、広い視野と時間軸を考慮に入れて実施する必要があります。


家族全員の暮らし方(ライフプラン)、実家など不動産の将来的な利用法・活用法と管理者、相続のトラブル防止と次世代への負担の軽減(回避)など、広く・将来を見越して検討しなければ後悔の元です。


そのためには、「民法」や「税法」といった特定分野のことだけでは選択肢が全く不足します。


必要な全ての要素を考慮した検討を行わないと正しく対策が打てません。


家族だけで検討が難しい場合は、『総合対策』が得意で『対策をまるごと設計』する役割の専門家に相談すると後悔のない選択ができるはずです。

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