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民事信託(家族信託ともいう)は本当に必要か!?

13 時間前
読了時間: 4分
先日、新聞記事の家計欄に民事信託(家族信託)の特集記事が載っていました。

一戸建てで独り暮らしをする84歳男性が、この先の金銭管理(認知症による凍結)で子世代に迷惑をかけたくないと不安に思っているという内容でした。

どうやら、知人が自宅で孤独死したという情報を耳にし、これからのことを真剣に考えたいと思われた様子です。

ご本人は民事信託(家族信託)という財産管理の方法を知り、検討したいと考え法務局や司法書士に問合せをしたが、回答を断られ途方に暮れているという記事です。
ここまで読んで、皆さんはどう思われたでしょうか!?

民事信託(家族信託)とは、信託法という法律を用いて、家族内で信託契約を行うことを言います。

例えば、お父さんが委託者で、信託したい財産を長男に委託する契約をします。(長男は受託者)

信託した財産の受益権(信託した財産の金銭的価値)をお父さんが持っておきます。(受益者)

その後、もしもお父さんが認知症を発症してしまった場合、長男が受託者としてお父さんの信託財産を管理・処分し、お父さんのためにその金銭的価値を使うことができるという仕組みのことです。

いかがでしょうか!?

「そんな良い仕組みなら、やっておくべき!」と思われたでしょうか!?

一方で、「金銭管理のことが心配なら「任意後見」(後見制度)契約をする手もあるんじゃないの?」と思われた方もおられるでしょうか!?

確かに、金銭管理だけが目的であれば認知症対策として「任意後見」契約も効果的です。

さあ、はたしてどちらをやっておくべきなのでしょう!?

ここで考えなければならないことは、お父さんご自身のこれからの暮らし方です。

現在は、一戸建てで独り暮らしをしているので、もしも認知症を発症して自立生活が難しくなったときは、グループホームや有料老人ホームなどの施設に入ることになるかもしれません。

そうなると、自宅が空き家となり、子世代に管理負担を遺すこととなります。

もし空き家となったら手放して良いということでしたら、民事信託(家族信託)はとても有効な手段となります。

金銭以外に自宅を信託財産としておくことで、所有者のお父さんが認知症となっても受託者の長男判断で処分(売却)することができるからです。

その一方、施設への入所契約などは民事信託ではできず、後見人を選任する必要がでてくるかもしれません。

つまり、民事信託(家族信託)と後見制度では目的と効果が違うのです。

そして、もっと大切なことがあります。

お父さんは、知人が自宅で孤独死したことがキッカケでこれからのことを真剣考え出したということは、「自宅で孤独死」への対策が重要となります。

残念ながら、これには民事信託でも後見制度でも対応できません。

では何を考えなければならないか!?

それは、「見守り」です。

自宅でこのまま住み続けたいと拘るなら、セコムやアルソックの「高齢者見守りサービス」を利用する方法もありますが、例えば自宅は築年数が古く耐震性に問題があるとか、木造住宅で冬はすごく寒いとか、医療機関やスーパーなどの買い物施設が遠いなどの場合は、課題が多く残ります。

そんなときは、思い切ってサ高住やURの高齢者住宅などの便利で安全性が高い見守りサービスも付帯した住宅に住替えるという選択肢を検討する必要性が出てきます。

仮に住替えを選択した場合は、後見制度はこの先の選択肢として残っても、民事信託(家族信託)は選択肢から外れることとなります。(自宅が持ち家でなくなるため)

といったように、どのような課題があるのかを正確に現状把握してから、どのような選択肢を選ぶのかを検討しなければ、結果的に見誤った選択をしてしまいます。

最も大切なことは、最初に正確な現状把握をしっかり行い、課題の本質を明確にした上で、視野を広く対策を検討することです。

今回の新聞記事のお父さんのように「金銭管理が心配」という表面的な課題のみで選択肢を選ぶことなく、全ての課題を抽出してから視野を広く検討し、後悔の無い選択をしていただくことを願うばかりです。

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