国交省の「空き家 利活用」モデル事業の報告会に参加しました。
2月27日(火)に、霞が関の国交省会議室において、「平成29年度 地域の空き家・空き地等の利活用等に関するモデル事業」の事業報告会が行われました。
私が所属する団体「空き家実家相談センター」を含め、全国より採択事業者38団体(一時採択事業者22団体、二次採択事業者16団体)が参加しての報告会でした。(我々は二次採択事業者です。)
全団体の発表は時間的に難しいということで、代表5団体による発表がありましたが、予想通り、具体的な利活用実績のある団体の発表でした。
その内、3団体は、「空き家」というよりも「賃貸の空き室・空き店舗」の利活用事例で、あとの2団体は限界集落の町おこしとしてのトライアルといった感じの事例です。概要は以下です。
1.都会(賃貸物件競合激化地域)の「賃貸の空き室」を母子家庭入居ニーズとマッチングさせる事業
2.郊外の「空き店舗」を活用して、学生が運営するショップの開業をサポートする事業
3.観光地の「賃貸の空き室」を民泊に転用することをサポートする事業
4.漁業で有名だが、漁師が減少している地域で若い漁師後継者を育てることを目的に「空き家」を活用する事業
5.田舎暮らしでの移住者の住居として「空き家」を活用する事業
どれも、とても面白いお話ではありましたが、いずれも特殊性が高く、一般的に広く展開できる事例ではありません。
「空き家」問題は、まず3つに層別されます。
Ⅰ.限界集落の「空き家問題」 (人口減、不動産価値低)
Ⅱ.賃貸物件の「空室問題」 (賃貸物件過剰供給による、空室率上昇)
Ⅲ.都会居住者の核家族化、所有者高齢化による「都市空き家問題」
(放火等の火災含めた犯罪等による治安悪化、老朽化やずさん管理による環境悪化、不動産価値低下)
我々は、3つ目の「都市空き家問題」をメインに取り組んでおりますが、これまでの活動を通し、「空き家問題」は所有者の方のエンディングライフプラン・不動産の相続、この2つの問題だと実感しております。
この2つに対し、少しでも早く、所有者の方がお元気なうちに対策に取り組むことで、「空き家」としない道を家族全員で選択いただくことで、未然に防ぐことこそが唯一の空き家対策だと思っております。
つまり、「空き家を増やさない」が今後の「都市空き家問題」対策の神髄だと確信しております。
既に空き家となっているケースのご相談をたくさんお受けしておりますが、認知症の問題や、相続トラブル等で利活用どころではないという話が大変多いのが現状です。
もちろん、特殊性の高い、「空き家・空き室」の利活用事例も大切なことだとは思いますが、「空き家をこれ以上増やさない!」活動の方が、もっともっと重要だと信じ、今後も地道な活動を続けていきたいと思います。